TBS VINTAGE CLASSICS （8） チャイコフスキー：交響曲第4番、他

ソヴィエト指揮界の大御所ガウクの真価が、今、ここに蘇る。

このディスクに収められているのは、1958年、レニングラード・フィルが初めて日本を訪れた際の録音である。～当時、国際的な知名度はともかく、ソ連指揮界において、ガウクはムラヴィンスキーよりも格上の存在であったと言ってよいだろう。そもそも、ガウクはムラヴィンスキーの指揮の師匠である。～65歳のガウクは、シンフォニックなレパートリーにおける最高の巨匠と言うべき存在であった。～それほど大きな存在であったにもかかわらず、ガウクがソ連・東欧以外で指揮をする機会は稀で、日本以外で彼が訪れたのはメキシコとキューバぐらいだった。この来日公演がいかにかけがえのない機会であったかがわかる。～ガウクの録音はとても多いが、モノラル時代のソ連録音ということで、音の良いものが少なく、現在はよく聴かれているとは言えない。没後50年（そして生誕120年）に当たる今年、このような貴重な録音が登場したことも何かの巡り合わせだろう。これを機に、多少なりともガウクの再評価が進むことを期待したい。
増田良介（ライナーノーツより）
リマスタリング：2013年8月 by 杉本一家（ビクタークリエイティブメディア）