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私はこの数ヶ月、幾度となくこれらのコンサートを聴き、これらが私のキャリアの“頂点”を代表するものだと信じている。― キース・ジャレット96年末からの休養直前、イタリアで行われたソロ・ツアー。70年代から続いた長時間2セット+アンコールという、キースによる完全即興ソロ・ピアノ公演の原点ともいうべきスタイルの最後の記録。■1973年の『ソロ・コンサート』から数えて通算14タイトル目となるソロ・コンサート作である本作は、1996年、日本そしてアメリカでの“スタンダーズ”トリオの公演を終え、10月にイタリアで行ったソロ・パフォーマンスを収録した作品。このイタリア・ツアーにおいてキースは今まで感じたことのない疲労感にさいなまれ、その後演奏活動を休止します。1999年にソロ・ピアノ作『メロディ・アット・ナイト、ウィズ・ユー』で復活しますが、体調面での大きな変化もあり、長編曲を即興でパフォーマンスしたソロ・コンサートはこのイタリア・ツアーが最後でした。■1998年のNYタイムズのインタビューで、キースは「あのコンサートで、どうエネルギーを使ってしまったのか自分でもわからない。まるで、体の中にエイリアンでも入り込んだみたいだった。自分は2度とステージに立てないと思ったよ。最後のコンサートでは葬送曲まで弾いたさ。自分自身のためにね」と語るほど、このツアーでの演奏は全身全霊をかけた、決意に満ちた内容でした。■このツアーのレコーディングはレコーディングのエンジニアも、プロデューサーもキース自身が務めました。このことについてキースはライナーノーツの中で「私が演奏した音符一つ一つがこれらのCDに記録されている。(中略)トランスフォーマー、ミキシング・ボード、あるいはクローズ・マイキングもなく、可能な限り最も自然なサウンドを与えるものとなった。私がプレイヤーとエンジニアだったこともあり、タッチ、ダイナミクス、オーヴァートーン、およびシェーディングが正しいものとなることを可能にするために調整ができた。(中略)私はピアノの椅子と舞台裏の椅子との間を何往復もし、その後は常に吐き気に苦しみ、気が向かなくとも無理やり夕食をとる努力をしたものだった。そしてそこから今度は、本能は舞台に出ていけとは全く言わないにも関わらず、私は機械の電源を入れて、ステージに向かったものだ」と語り、慢性疲労症候群の予兆に苦しみながら現地でレコーディングした模様が語られております。■このツアーでの演奏は、過去海賊版などでのリリースもない、純然たる新譜で、さらに過去のキース・ジャレットのディスコグラフィーと、本人によるライナーノーツが収録された豪華ボックス仕様となっております。
Disc1
Disc2
Disc3
Disc4
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