ヴァレンティーナ・リシッツァ

リシッツァの最新録音は2015年に没後100年の記念年を迎えたスクリャービンの小品集です。随所に「神秘和音」と呼ばれる独特の響きを用いた彼の作品は、独自の官能性と、悪魔的な諧謔性を秘め、高度なテクニックだけでなく、ピアニストの強烈な個性と表現力が必要とされます。もともとリストやラフマニノフを得意とする彼女にとって、それはお手の物。スクリャービンの極彩色の音を鮮やかに体感させてくれる名演です。

2014年6月に、ベルリン交響楽団の日本ツアーに帯同し、各地でベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番《皇帝》を演奏したヴァレンティーナ・リシッツァ。そのダイナミックな演奏は多くの聴衆を魅了し、確実に新しいファンを獲得しました。異色作ともいえるナイマン・アルバムに続く今作は、ショパンの練習曲とシューマンの交響的練習曲を収録したエチュード・アルバム。どちらもファンにとっては待望の作品といえましょう。ピアニッシモからフォルテまで、さまざまな表情を見せるリシッツアの情感豊かな演奏が印象的です。

新時代のピアニスト、ヴァレンティーナ・リシッツァによるショパンの練習曲集とシューマンの交響的練習曲集。85分超の長時間収録ディスク。Youtubeの公式チャンネルは7100万回以上の再生というインターネット界で最も知られたクラシック・ピアニストによるエチュード・アルバム！前作、異色ともいえるナイマンの美しいメロディと戯れた後に、当盤はショパンの練習曲とシューマンの交響的練習曲を収録し、豊かな中低音の響きで聴き手を魅了します。リシッツァはYoutubeにもショパンを弾いた映像をいくつかアップしています。Deccaの優秀録音が録らえた馥郁たる内声の中音域を味わいつつ、Youtubeで演奏シーンを堪能するという現代ならではの楽しみを提供してくれます。

デッカからデビュー以来、ラフマニノフのピアノ協奏曲全集やリスト・アルバムなど、積極的に録音を続けているウクライナ出身のヴァレンティーナ・リシッツァ。最新アルバムは、映画音楽の巨匠マイケル・ナイマンの70歳を記念したアルバムで、これだけまとめてナイマンのピアノ曲を録音したのはリシッツァが初めてとなります。美しいメロディを生かし、あるときは情熱的に、あるときは幻想的なリシッツァの演奏は、ナイマン作品の新たな魅力を私たちに伝えてくれます。

ウクライナ生まれアメリカ在住のピアニスト、リシッツァの新録音はリストの作品。CDとLPの2形態で同時に発売します。